歯がない=咬めない それ間違ってますよ!
離乳食のお話シリーズです
消化と吸収のことは
なんとなくわかっていただけたでしょうか🤔
私たち現代人は、どうしてもヒトが哺乳類の延長に存在する動物であることを忘れてしまいます。
動物がこどもを育てるとき、
ご飯が確保できるかどうかわからない世界で
これはだめ あれはだめと 選別しているのでしょうか?
心配なのも、大切なのもよくわかります。
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でも 何度も言いますが
サポートされ切った成長は 発達ではありません。
みなさんが ”こどもを成長させる” という意識から解放され
”発達をみまもる” ことが当たり前の時代がまた来ますように。
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さて ご質問にもありましたが
まず結論からいうと
「歯がないとものは食べられない」というのは真っ赤なうそです。
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実は、歯がなくなって総入れ歯になった高齢の方が、
入れ歯を外したほうが食べやすいとおっしゃるのはよくあることです🤣(入れ歯を作る側としては悩ましい問題です)
⠀
ものを食べるために歯が重要な働きをするのは
「咀嚼(そしゃく)」というステップです。
もぐもぐ食べ物を粉砕するステップですね。
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咀嚼の動作は歯だけで行われているのではありません。
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ご自分でよーーく観察しながらものを食べてみてください。
⠀
顔や首中の筋肉を複雑に使って、
ベロで食べ物を上手にまとめたり左右に動かしたりして、
下あごを上下左右に上手に動かして
いろんなものを食べていると思います。
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この動作にはとうぜん脳みそも関与していて、
随意的な運動(自分で考えて意識しておこなう動作)と
反射(意識しなくてもおこなわれる動作)が
上手にかみあってはじめてうまくいくものです。
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疲れているときや 急いでいるとき
思わず唇やベロをかんでしまうことありませんか?
おとなでも、その機構がうまく働かないことはよくあります。
⠀
歯はものをすりつぶしたりかみ切ったりするのに
必要なツールです。
あくまで構成要素のひとつであり、
咀嚼運動の必要絶対条件ではありません。
⠀
歯が生え始めた時点でその歯を”生かす”動作を上手に行えない場合、その歯はうまく機能する方向に生えていきません。
⠀
歯並びが悪いから咬めないのではなく
咬んでこなかったから歯並びが崩れたのです。
⠀
ものをかみ切る動作に必要な前歯は
早い子で離乳食 開始の時期、
ものをすりつぶすのに必要な奥歯は
早いと10カ月ごろにはえはじめます。
⠀
⚠️⚠️それまでの時期に
なるべく咀嚼の動作をまなび、筋肉や脳みそを発達させておくことが非常に重要です。
かみきれなくてもすりつぶせなくてもいいんです。
咀嚼する「動き」を学び、歯が生えてきたらそれをうまく使えるように準備するのです。
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「歯が生えるまで咬めないものは与えないようにしましょう」
という離乳食のすすめが
いかに不十分かわかっていただけるでしょうか🥺
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はぐきを傷つけるほど硬いものは避けてほしいのですが、
手に持つことができてわざと咬み切れない大きさのもの、
歯茎ではなかなかすり潰せない繊維の多いもの、
(長いイカゲソとか、するめとか、野菜の茎や芯、少し煮た長いままのごぼう、ささみの焼いたスティックとか、こんぶとか)
⠀
そういうものをできるだけ早い段階であたえて
咬む練習をさせてほしい。
呑み込めずに口にずっといれていたり、
吐き出したりすることもあると思いますがそれでかまいません。
いっぱい練習して歯が生える日に備えてください。
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赤ちゃんにとって怖いのは気道の閉塞ですが、あやまって塊のままのみこんでしまうようなことは、形に気を付けていればほとんどありません。
丸のみにしにくい形のひとつは「長い」ものです🤔
手に持ったまま口に入れられて遊べるようなものを選んでください。
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歯が生えてから咬む練習をしても、
時すでに遅しです!
歯がないと食べてはいけないものなんかありません🤯
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【赤ちゃんの消化管は未熟伝説】
離乳食のお話シリーズ 終わりが見えません🤯
離乳食について 長々と書いていますが
大人と同じ食事から食べるというのは、そんなに衝撃的なことなんでしょうか😖
お母さんたちが、いかに子供のために一生懸命育児書を読み、勉強して、いろんな知識を得ているのかがよく分かりますね。自分の愛する子供のことだから、立派に育ってほしいと思うものですよね😊
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お母さん方の反響を多くいただき、感謝しています。
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私たちの医院では、できるだけ育児書は読まないでくださいとお願いしています。
もちろん 正しいことやためになることもたくさんあるんですよ。
でも、どれが間違っていて どれが正しいのか
自分で判断できないことがたくさんあるし
解明されてないことが多い分野ですから
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そもそもそれを書いている人だって
何が正しいかわかっていない場合があったりします。
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わたしももちろん例外ではなく、
どの先生も 自分の学びと経験と、
あと「自分の専門」から いろんなことを悩み考え
解決策を導こうとしているだけで
全て正解を語ってる人なんてたぶんいません。
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再度 みなさんにお伝えしたいのは
わたしは 口の機能が衰えていくばかりの現代のこどもを
一人でも減らしたくて今日もこの文章を書いているということと、
どの先生のどのような意見にも基本的には信念があるということです。
⠀
離乳のすすめをつくった先生方は
それが必要だと思って書いたのだし
最近になって否定された 論文だって
当時は、その時は きっとそうだと思って書いていたし
⠀
ヒトの全てを解明するのなんてたぶん無理で
研究も離乳と同じように 失敗して学ぶことの方が
圧倒的に多いと思います。
⠀⠀
わたしは、食べられない子どもがどんどん増えていく中で
いまの離乳食には大いに問題があると考えます。
それは「矯正歯科を専門とする歯科医師」からの観点で
それ以上のなにものにもなれません。
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ただし⚠️自分で納得できないこと 証拠や裏打ちを見つけられないものは 発信しないようにしています。責任が生じるのが、医療人だと自覚しています。
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過去にも書いたように、どんな意見にもその人の立場と専門があるので、見方によっては意見が変わることはたくさんあります。
どの意見にも理由があります。
それをしっかり学んだうえで、
なにを選び取るのか、なにが自分に必要なのか
判断できるようになりたいと思うばかりです🧐
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話が逸れましたが みなさん わたしの長い話にはもう
飽き飽きしてるのではないでしょうか
ほんとにいつも申し訳なく思っています🥺
話をまとめるのが苦手で😨💦🙏🏻
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今日書きたかったのは、みなさんが気にしている栄養のこと。
たくさんおなじような質問をいただいたので、
わたしのできる範囲で答えさせていただきます🍴
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過去にも書いたように、バランスの良い栄養など 細かい栄養学に関してはあまり得意じゃないので 栄養士さんの意見も参考にしてくださいね🤣
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まず 気をつけていただきたいのは、
大人と同じご飯そのままあげてもたぶん食べれません🤣
そういう意味ではなく💦
再三言っていますが
大人が食べるものから取り分けて
潰したり 水分を加えて柔らかくしたり
食べられる性状に変えて 与えましょうってことですね😌
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消化吸収不全についてですが、ミルクと併用する時期はそんなに恐れなくても栄養不足になることはありません。不安なら成長曲線をつけてみてください。そこから大きく外れることがなければ、まず問題になりません。
そもそも赤ちゃんの食欲は1日毎に大きく変動することが知られています。
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不安なみなさんにオススメしたい先生がいます。
武藤静子先生は 小児栄養学の中心人物として活躍されました。
古い研究が多いので 内容がアップデートされきっていたらすみません。気づいたら誰か教えてください🤣
⠀
まだ離乳食のすすめが定着する前、
家庭の食事が赤ちゃんに与える影響を調べた論文があります。
今と違ってこのころの論文は まだ親の食事から赤ちゃんに与えることを 基本に書いています。
家庭で出がちな ほうれん草や人参、イモなど いろんな食材について 赤ちゃんに与えたときの便から、月齢に応じて消化吸収ができるか調べたものですが
ゴボウや枝豆、とろろなど一部は軟便にする傾向があったものの
特段害を与えるものはなかったと結論づけられています。
⠀
ご質問いただいた 油脂についても
一日に10gの油 マーガリンやバター サラダ油など
いろんなものを与えたときの赤ちゃんの消化について研究されています。⠀
ラードは少し軟便になる子もいるみたいですが
こちらも何れも害はないと結論づけられています。
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赤ちゃんの消化器官は大人に比べて未熟です。
消化 吸収できるものには 限界がありますが
それは できない という意味ではありません。
できるけど 大人ほどじゃないと言う意味です。
人参なんかの🥕有彩色のものは便で見分けやすいですが、それ以外もたくさん消化されないままでてきたりしています。
⠀
栄養分の代謝 肝臓や腎臓なんかの組織についても
それが壊れる負担になる程の量を
まず消化管から吸収できません。
⠀⠀
消化はできる限りがんばるけど
できなかったものは出てくる。
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便の性状はひょんなことで変わるし
いつもと違うものがずっと続くことも稀です。
水分不足による便秘や 逆に下痢なんかも
赤ちゃんは起こりやすいぶん お母さんたちは心配されるでしょうが…
消化吸収も発達途中なので
消化吸収しやすいもの 努力しなくてもできるものは
廃用性の退化を招くだけです。
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だし汁や食材の風味を生かした味付けで
塩は極力使わない 砂糖も(そこまで悪影響ではないらしいですがタンパク質不足があると脂肪過多になるので注意)やっぱり少なめで 栄養バランスがそこそこいいもの
それくらい気をつけていれば
赤ちゃんにいいどころか 親も健康になりますね🙆♀️
頑張って作っても、離乳食を食べてくれない。
長くなりましたがこの投稿には
とくにわたしが言いたいことが詰まっています
どうか1人でも多くのお母さんに届きますように😢
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離乳食のお話シリーズ 機能編 続きです🦷
過去の内容は👆🏻のタグからどうぞ🏷
さて 正しい嚥下 とはどんなものかなんとなくイメージできましたか?
前回の投稿を参考に
ごっくんの瞬間⠀
☑️ 舌骨が上下に動かない
☑️ 唇の周りの筋肉がちょっとでも動く
☑️ 上と下の歯が当たらない
☑️ ベロがニョキッと出てくる
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どれか一つでも当てはまる場合☑️
異常嚥下(間違ったごっくん)の可能性大‼️‼️🤢
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ご自分でも、お子さんでもいいので
いちどチェックしてみてくださいね🥺
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正しくモノを飲み込むとき、
ヒトの口の中では次のようなことが「順番に」行われます。
どこかのステップで問題があれば、全体がうまくいきません。
① ベロ👅を駆使して食べ物をひとかたまりにし、ベロの中央に乗せます
② ベロの先を天井にぎゅっと押し付けると
⠀⠀ベロ筋👅が#蠕動運動 して 食べ物が喉の手前まで運ばれます
③ 舌骨を持ち上げる筋肉や歯をかみしめさせる筋肉が
⠀⠀さらに奥の喉の入り口まで食べ物を運びます
④ 本能の働き(反射)で食道まで一気に流し込まれます
⠀
さて、②の蠕動運動
わたしの投稿ではお馴染みですが どこで出てきたか
みなさん覚えてますか?🥺🥺
⠀
そう、赤ちゃんが 母乳を飲むときのベロの動きです‼️
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赤ちゃんは母乳をのむとき(哺乳瓶は除外します)
「本能的に」正しい嚥下と同じ動きをしているんです🤭
⠀
あれ?嚥下は訓練しないとできるようにならないって
言ってませんでしたか?
そう思ったあなたはもう嚥下マスターです🤓
乳首を挟んだ状態での液体の嚥下は 本能でできます。
そこから先の応用編(乳首がない状態や固形物)は、練習しないとできないんですね😤
⠀
わかるでしょうか?本来なら
正しいごっくんは 応用編 なんです。
お母さん から直接母乳を飲む訓練が充分されていれば
すんなり移行できるはずなんです😥
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なぜできなくなったのでしょうか‼️
そう‼️原因は‼️
吸うと出てくる哺乳瓶の乳首なんです🥺🥺💦
唇をぎゅっと💋結んで、ベロは前後に動く。
ストローから水を吸うような動き。。。
⠀
実はこれ、異常嚥下と全く同じ動きなんです。
この動きに慣れるってことは。。。。
その後どうなるか もう わかりますね🤯
⠀
「母乳実感」などの乳首は穴が大きめで弁がありません。
このような「飲みやすい」乳首で
本能的にできてたはずの吸啜運動をすると、
ミルクが逆流してしまうので うまく飲めません。
⠀
そのとき赤ちゃんが学ぶのが この異常な動き😥
学ぶだけならいいんですが 、それに慣れ切ったせいで
吸啜を忘れ、できなくなり、正しい嚥下もできなくなる
⠀
あぁ 悪循環へようこそです🙄
⠀
親は何でも こどものために
食べやすく 飲みやすく 〇〇しやすく
考えがちですよね。
⠀
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サポートされ切った成長は、
このように本人のためにならない場合があります。
これは現代のお母さんたちに
とくによく知っておいてほしいことです。
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⠀
⠀
この話には重要な続きがあります。
⠀⠀
しきりにベタベタドロドロの離乳食は
やめてほしいと言っていますが
このようなベロでまとめるのが難しい状態のものは
異常嚥下の動きでないと飲み込めません。
⠀
さっきも言ったように、
異常嚥下の動きそのものが悪なんじゃなくて
それが当たり前になるのが悪なんです😱
いくら母乳で吸啜運動を訓練したとしても、
裏ごししたりミキサーにかけたような液状のご飯を数週間も食べれば
すぐに正しいごっくんはできなくなります。
赤ちゃんは 胎外で生きていくために 毎日毎日必死で 著しい成長をするので
一週間もせず 大概のことには適応します😤
⠀
しかもみなさんが張り切って
べちゃべちゃのご飯を作っている初期の初期こそ
赤ちゃんが正しいごっくんを学べる
一番適正な時期なんですよ😭
⠀
もう お願いだから だれかこの
まちがいだらけの離乳食ブームを止めて😭
⠀
このお話はまだまだ続きがあります😵
どうかお付き合いください🥺
離乳食も終わりなのに、どうしてこんなに食べてくれないの?
こんばんは🌇
今日もおなじみ 離乳食のお話シリーズ です
たまには歯の話もしたほうがいいですか?笑🦷
⠀
なんだかたくさんの方に見ていただけているようで
とても嬉しいです😊
国の指針も 企業も 社会も
べちゃどろの離乳食を推奨していますが 私はハズレ者なんでしょうか。。🤣
でも戦後に増えた 食べられないこどもを減らすために
離乳食の指針が国から示されてはや何十年
まじめにお母さんたちは従っているのに
よくなるどころか悪くなっているのはなんででしょうね?🤔
⠀
わたしは、やっぱり指針に問題があると思いますよ🤢
⠀
さて とっても深いコメントをいただきました。
丁寧に一生懸命離乳食をがんばってくれたお母さんですが
どちらかというと手をかけていないほうの下の子の方がよく食べる気がする。。。
⠀
それ、気のせいじゃありません。
わたしの尊敬する先生が去年論文にしてくれました。
その先生は長い年数をかけて
たくさんのこどもの食べられるものと
食べてきた離乳食の相関を調べ、きょうだいのいるお家では
いちばん手をかけたはずの第一子が
いちばん "食べられない" ことを証明しました。
⠀
この論文が世に出るまでは 本当に大変だったそうで
離乳食を否定するのが いかに難しいかを教えてくれました
⠀
何度も話してきたように、
いまの#厚生労働省 の#離乳のすすめは
障害のあるこどもをベースにつくられたもので
これに則って離乳をすすめても食べられる子供にはなりません。
⠀
じゃあ 食べられないまま離乳の終わってしまった子は
どうしたらいいのでしょうか?
⠀
まず、離乳の終わったこどもがご飯を食べたがらない理由には
大きく三つのことが考えられます。
⠀
①味が気に入らない
②食べる筋力がないから食べたくない
③お腹が空いてない
⠀
ひとつずつ見てみましょう。
いろんな味に慣れるには、
自我が強くなりはじめる1歳ごろまでの間に
たくさんの味を経験をしておかないといけません。
⠀
苦いとか、渋いとか、そういう食材もあるよっていうのを
抵抗のない時期に経験させるのが大切なんです🤯
⠀
視覚や嗅覚から "これはイヤだ!"と感じるようになると
嫌なものはなかなか口に入れてくれなくなります🥺
そうなるともう厄介で…😨
経験が少ないほど 嫌がるものは増えます。
⠀
これを食べてもらうには
親とこども の関係性が重要です
まずは親が"美味しいもの"として 子どもの前で楽しく食べること!
⠀
つぎに、これは再三言っていますが
とにかく噛めない、飲み込めない子が増えているので
かみごたえのあるものは 嫌がったり
口から出したり いつまでも口に入れていたりします。
これは、離乳食の時期に適切なトレーニングが行われなかったために
食事に必要な筋力や神経の発達が身につかなかった状態です。
どうしたら食べられるようになるか?
⠀
これには かなりの努力が必要です。
口の機能の臨界期は3歳ごろなので、
そこから離れるほど 機能の獲得は難しくなります。
私たちの病院では この機能を獲得するために
装置を使って2〜3年かけてトレーニングをしていきます。
頑張ればできるようになる子もいますが、
それにはかなりの時間と 頑張りが必要です。
トレーニングの内容については、またゆっくり書かせてください💦
⠀
最後に、現代は 飲み物やお菓子など
しきりに口にものをいれられるので
お腹を空かせた子が いなくなってきています。
でも 食べるためには 空腹も大事な要素で
お腹がすいていれば どんなに難しいものでも
一生懸命食べようと工夫します
⠀
どの原因に対しても気をつけてほしいのは、
こどもが食べてくれない時の親の対応です。
嫌がってそれを残した時、
親が折れるとその子は一生それを克服するチャンスを失います。
親が"育てている"あいだは、食事はトレーニングです。
食べたくない ものを頑張って食べてもらうことも
成長に必要な過程です
⠀
もし 嫌がって残すようなら
つぎの食事では その残したものから与えましょう
それを食べきってから 新しいものを出すのです
⠀
すこし大変かもしれませんが
その子のため 食べられないものを食べるように努力する
そのチャンスを奪わないでくださいね。
離乳食初期・中期・後期の意味なんてない
こんばんは。
離乳食のお話シリーズ です。 まだまだ続きますよ🤣
今日はとっても難しい話をします。
食べる機能の発達、つまり成長のことです。
⠀
離乳食の初期・中期・後期って なにか皆さんご存知ですか?
なんでそんな分け方してあるんでしょうか?
⠀
1980年代 、日本ではこどもの口腔機能の発達について
研究が盛んになります。
その時代の先駆者が 二木先生や向井先生ですが
先生方は当時 障害のある赤ちゃんの様子をずっと山ほど観察して
口の中の動きを想像する という研究を主にされていました。
⠀
当時、口の中のベロの動きを確認する方法はなかったからです。
⠀
彼らは食べる機能の発達には一定の決まりがあり、その通りでなければ発達がストップしてしまうと決めました。
(その根拠は わたしは論文を散々漁ったんですが よくわかりませんでした。どこにも書かれていなかったので。)
⠀
彼らによれば、ベロだけを抜き出してみると、
赤ちゃんは 授乳のとき前後運動をしていて、
そのあと数ヶ月したら上下運動ができるようになって、
最後に左右の運動ができるようになる そうです。
⠀
⠀
時代が進み口の中を見られるようになったのが1990年代ですが、
みんないろんな方法を考えて工夫したものの
その結果はわりとバラバラで
赤ちゃんがどうやって食べる機能を獲得していくのかは
正直まだまだ分からないことだらけなんです。
⠀
ただ多くの論文で確認されているのは
・赤ちゃんのベロは授乳のとき前後運動ではなく#蠕動運動 をしていること
・舌骨挙上筋が強く働きベロの上下運動が同時に行われていること
です。
⠀
どう考えても 当初予測されたことより
赤ちゃんは複雑な動きを自然に行っているはずなんですが
離乳食の指針は1980年代当時の論文の内容に沿っていて
⠀
まずはベロの前後運動の練習から始められるように
食べ物の性状を決めています。
これが離乳食初期 とよばれる食事です。
⠀
つぎは 上下運動の練習。離乳食中期ですね。
だから、ベロを天井に押し付けてすりつぶせるものを与えなければならないというルールになっています。
⠀
最後に離乳食後期 です。
ここはベロの左右の運動、つまり咀嚼が
始めてできるようになる前提の食事が組まれています。
これについてはまた改めて書きますが、咀嚼がこの時期までできないなんて嘘です。
できます。
⠀
このように、赤ちゃんの発達は
はじめに考えられていたよりも
ずっと複雑で 立派なことがわかってきていますが
離乳食の内容はアップデートされないまま。
蠕動運動も上下運動もできる赤ちゃんに
⠀
小さじ一杯のだし汁 。。。
ふざけてるのかなって思います。
汚い言葉でごめんなさい。
⠀
いまの離乳食が いかにレベルの低いトレーニングなのか
わかってもらえたら…いいなぁ…🥺
【大切】読んでほしいこと
離乳食のお話シリーズ です。⠀
⠀
桜が綺麗な時期ですね🌸
最近は花粉症のお子さんも増えているみたいですが🤔
どうしてもやはり現代と十数年前は
環境がなにもかも違うんでしょうね😥
そんななかで 口の機能だけでも昔の水準に保つのは…
正直難しいんでしょうね😖
食べるものも 目まぐるしく変わってきていますもんね
⠀
でも 昔の水準まで達せなくても
害のない程度には 機能を獲得してほしいです
周りの環境は厳しくなっているけど
がんばれ こどもたち🤨‼️ そして がんばるな お母さんたち‼️🥺
⠀
手をかければかけるほど、
食べやすいものに慣れきっていくほど
⠀
本来なければ生きていけない
口の機能の全てがだめになっていきます
⠀⠀
みなさんが ペースト状のものをあげるのは
歩けるこどもに 車椅子を押し付けているようなものです
⠀
▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
いいですか、厚労省の離乳食の指針は
もとは 障害のあるこどもにむけてつくられたものです
それに沿ってご飯を作ることは
こどもの本来正常な 機能の発達を阻害します
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⠀
離乳食は大人のご飯を食べるためのトレーニング食です
出来ることばかりしていても
なんのトレーニングにもなりません
⠀
できないこと 少しずつ難しいことにチャレンジして
最終的には親と同じものを自力で食べられて
それで生きていける
それが 離乳食のゴールです
⠀
指標通りに進めて
それが最後まで終わればゴールではないです‼️
⠀
離乳食を 本来の目的で行おうと思ったら
裏ごしされたような 飲み込むだけのものは
なんの意味も果たしません
赤ちゃん自身が 口のいろんな場所の筋肉を使って
工夫して どうやって食べるのかを研究して練習する
それができる食事でないといけません
⠀
たとえば ご飯なら お粥のような水分の多いものより
ふつうに炊いたものを 柔らかく叩いたもの
粘度が少しあって 口の中でいろいろ遊べるもの
スープじゃなくて 煮たのをかるくつぶしたもの
⠀
失敗すると危険な するんと誤嚥してしまう
大きめの豆やゼリーの塊 おもちなんかはまだダメです
⠀
私たちも 例えばキャラメルを食べたら
歯の裏とかにくっつくのを 上手にベロで剥がしたり
丸めて歯の上にのせてかんでみたり
舐めてみたり いろんな動きを自然としますよね🤔
⠀
そんな風に、口をいろいろ動かしたり
工夫したり いろんなところの筋肉を
自然に使うような食事が 必要なんです。
⠀
3歳までの口の経験が その後の人生を決めます。
大げさではありませんよ🥺
⠀
口に触ると異常に緊張して
嘔吐反射が強くて 好き嫌いが多くて
口角が下がっていて 食べ物を飲み込めず口から出して
歯並びが崩れて ハイアングルになって
噛み合わせが悪くて 自力で口が閉じられなくなって
その子が思春期になった時 その横顔で悩むかもしれない
大人になった後 歯周病や顎関節症で悩むかもしれない
歳をとった時 誤嚥性肺炎で亡くなるかもしれない
⠀
すべては、習慣による連鎖です。
どこで気がついて食い止めますか? ⠀
⠀
ちなみにこれはとても難しい問題ですが
自我がつよくなるほど
食べにくいものや 飲み込むのに苦戦するものを
嫌がるようになることがあります
でも、食事は親がコントロールできる1番直接的なしつけです
嫌がって残したら、つぎのご飯のとき 残したものだけを与えます
それしかなければ、お腹がすいていれば嫌でも工夫して食べます
⠀
少し厳しいことかもしれません
でも そこで親が折れることが
親とこどもの立場を逆転させ
柔らかい好きなものしかたべない
好き嫌いの多い子を作り上げる原因になりえます
⠀
食事はトレーニングです。
離乳食はトレーニング です。
根底を間違えないようにしてください。
離乳食っておいしくなさそうですよね
離乳食のお話シリーズ です。
こどもの「口腔機能障害 」が増えている とお話ししました。
⠀
口腔機能とは 口を使った運動全てをさすもので
「咀嚼 」そしゃく かむことですね
「発音」「嚥下 」えんげ ごっくんのことです
などなど 生きていく上で重要な動きばかりです🧐
⠀
その機能が獲得される時期は
それぞれの動きで異なっていますが
嚥下の機能の基礎がかたまるのは
5.6.7ヶ月ごろといわれます。かなり早い時期ですね‼️
⠀
機能の獲得には 臨界期という概念があります。
ある一定の時期に 学習できなかったものは
その後できるようにはならないというものです。
口の機能の臨界期は
だいたい3歳ごろと言われています。
⠀
それまでに ある程度のことを学習しないと
それ以降では 学んでも身に付かないわけです。
⠀
⠀
10分のおかゆをスプーンから食べてみてください
ベロを前と後ろに動かすような 舐めるような動きをしませんか?
少なくとものどを動かすような
筋肉を使ったごっくんはうまくできないはずです。
⠀
普段正しい嚥下ができる人でも
液体に近いものを食べるときは、
嚥下しようとしなくても喉のほうに勝手に流れるので
勝手に反射が起こり、飲み込まれています
⠀⠀
正しい嚥下をするためには
塊にしてベロの上にまとめて置ける ことが大切です。
柔らかいにしても ちゃんととろみが付いているとか
それなりに粘度と硬さがないといけません
⠀
もちろん、
はじめてだから怖いという気持ちがあるかもしれませんが
液体に近いどろどろのものを与える必要はないと私は思います。
⠀
何週間も 何ヶ月も どろどろのものを食べていると
それを食べる動きしか学習できず
吸啜でしていたはずの正しい嚥下を忘れてしまいます。
⠀
お粥をわざわざつくるのはやめて
粒の大きさが心配なときは、すこし細かく叩いてから
与えてあげるくらいで大丈夫です。
水分を増やせば増やすほど 自然に正しい嚥下をするのが難しくなります。
裏ごしは 大反対派です。
そこまで細かくする必要は全くないです。
⠀
みなさんに聞きたいのは
あの指針に沿って いかに努力したか
発表するために安心するために
離乳食つくってませんかってことです
⠀
本来なら人間も動物なので
お母さんがもってきたご飯を 噛み与えるので
充分しっかり育つことができるはずなんです
人間だけですね
こうやって至れり尽くせりで育てようとするのは🤔
⠀
大人と同じご飯でいいんですよ‼️
だって、それを食べられるようになるのが
離乳食の目的なんですから。
⠀
消化や食べやすさを考えて
細かくしてあげたり 柔らかくしてあげれば十分。
わざわざその子のためだけにつくるのが
かえってよくないのです🤢
⠀
お父さんお母さんも健康のために
薄味のものを一緒に食べましょう
⠀
考えてみてください
頑張って作ったのに食べてくれないって悩んでるお母さん
だってそれ たぶん
自分でご飯にしても全然美味しくないですよ🙄
⠀
まずは食事を楽しめるように
美味しいもの 食べたくなるものを与えましょう
それに、その時間が
家族にとっても楽しいものであるように
お母さんは
『向かい合って赤ちゃんに"離乳食"をあげる時間』
から
『並んで一緒にご飯を食べる時間』
に変えてください。
⠀
これについてはまたゆっくり。