歯がない=咬めない それ間違ってますよ!
離乳食のお話シリーズです
消化と吸収のことは
なんとなくわかっていただけたでしょうか🤔
私たち現代人は、どうしてもヒトが哺乳類の延長に存在する動物であることを忘れてしまいます。
動物がこどもを育てるとき、
ご飯が確保できるかどうかわからない世界で
これはだめ あれはだめと 選別しているのでしょうか?
心配なのも、大切なのもよくわかります。
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でも 何度も言いますが
サポートされ切った成長は 発達ではありません。
みなさんが ”こどもを成長させる” という意識から解放され
”発達をみまもる” ことが当たり前の時代がまた来ますように。
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さて ご質問にもありましたが
まず結論からいうと
「歯がないとものは食べられない」というのは真っ赤なうそです。
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実は、歯がなくなって総入れ歯になった高齢の方が、
入れ歯を外したほうが食べやすいとおっしゃるのはよくあることです🤣(入れ歯を作る側としては悩ましい問題です)
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ものを食べるために歯が重要な働きをするのは
「咀嚼(そしゃく)」というステップです。
もぐもぐ食べ物を粉砕するステップですね。
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咀嚼の動作は歯だけで行われているのではありません。
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ご自分でよーーく観察しながらものを食べてみてください。
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顔や首中の筋肉を複雑に使って、
ベロで食べ物を上手にまとめたり左右に動かしたりして、
下あごを上下左右に上手に動かして
いろんなものを食べていると思います。
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この動作にはとうぜん脳みそも関与していて、
随意的な運動(自分で考えて意識しておこなう動作)と
反射(意識しなくてもおこなわれる動作)が
上手にかみあってはじめてうまくいくものです。
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疲れているときや 急いでいるとき
思わず唇やベロをかんでしまうことありませんか?
おとなでも、その機構がうまく働かないことはよくあります。
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歯はものをすりつぶしたりかみ切ったりするのに
必要なツールです。
あくまで構成要素のひとつであり、
咀嚼運動の必要絶対条件ではありません。
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歯が生え始めた時点でその歯を”生かす”動作を上手に行えない場合、その歯はうまく機能する方向に生えていきません。
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歯並びが悪いから咬めないのではなく
咬んでこなかったから歯並びが崩れたのです。
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ものをかみ切る動作に必要な前歯は
早い子で離乳食 開始の時期、
ものをすりつぶすのに必要な奥歯は
早いと10カ月ごろにはえはじめます。
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⚠️⚠️それまでの時期に
なるべく咀嚼の動作をまなび、筋肉や脳みそを発達させておくことが非常に重要です。
かみきれなくてもすりつぶせなくてもいいんです。
咀嚼する「動き」を学び、歯が生えてきたらそれをうまく使えるように準備するのです。
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「歯が生えるまで咬めないものは与えないようにしましょう」
という離乳食のすすめが
いかに不十分かわかっていただけるでしょうか🥺
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はぐきを傷つけるほど硬いものは避けてほしいのですが、
手に持つことができてわざと咬み切れない大きさのもの、
歯茎ではなかなかすり潰せない繊維の多いもの、
(長いイカゲソとか、するめとか、野菜の茎や芯、少し煮た長いままのごぼう、ささみの焼いたスティックとか、こんぶとか)
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そういうものをできるだけ早い段階であたえて
咬む練習をさせてほしい。
呑み込めずに口にずっといれていたり、
吐き出したりすることもあると思いますがそれでかまいません。
いっぱい練習して歯が生える日に備えてください。
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赤ちゃんにとって怖いのは気道の閉塞ですが、あやまって塊のままのみこんでしまうようなことは、形に気を付けていればほとんどありません。
丸のみにしにくい形のひとつは「長い」ものです🤔
手に持ったまま口に入れられて遊べるようなものを選んでください。
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歯が生えてから咬む練習をしても、
時すでに遅しです!
歯がないと食べてはいけないものなんかありません🤯
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